日用品と手仕事の店
日用品と手仕事の店 はぎわら
創の実 自由が丘
JIYUGAOKA
OWNER
田中 まり子
TANAKA MARIKO
店頭に並ぶのは、私の目線でセレクトした、日常を輝かせるようなアイテム。
食器や布巾など、普段使いのアイテムをお気に入りのものに替えてみるだけで、
何気ない日常がワクワクする毎日になると思いませんか?
『日用品と手仕事の店 はぎわら』に集められた商品は、そんな「手仕事の良さ」が
光るものばかり。その全てを、「落ち着き」、「丁寧」、「少しの上質」、「好奇心」という
四つのキーワードをもとに、私の目線でセレクトしています。
店内では様々な商品を陳列しているので、きっとあなただけのお気に入りが見つかるはず。
私自身が愛用しているアイテムも多いので、一緒に楽しんでもらえたらと思っています。
PICK UP

多くの人に薦めたい、手仕事の良さが光る商品
素焼きの器にヤマゴケを植えた、コケを育てる「モスモス」は、栃木県・益子町の陶芸作家、真山茜さんの作品になります。可愛いだけでなく育てる楽しみもある、お薦めの商品です。また木製の台座に円錐型のグラスを差し込む「木グラス」は、北海道の淳工房の人気作品です。こうした全国の作家さんや工房などで作られた手仕事の良さが光る商品を、多くの方にお届けしたいですね。
OWNER INTERVIEW

田中 まり子
TANAKA MARIKO
職人さんや作家さんの手仕事の良さを多くの方に感じてもらいたくて
会社員時代の経験を活かし、自ら選んだものを店頭に
都内の大型書店でアルバイトとして働き始め、その後契約社員、正社員と引き上げてもらいました。その中で主に行っていたのが、本の販売ではなく雑貨部門での業務だったのです。日用雑貨やギフト商材を扱うだけでなく、アクセサリーなどの作家作品も販売。働き始めて10年近く経った頃には、そうした企画の立案や作家さんとの商談、さらにはアルバイトの管理といった店舗運営についても任されるまでになっていました。ただ残念なことに新型コロナウイルスの影響もあり、雑貨部門を縮小することに。そのタイミングで退職したのですが、親交のあった陶芸作家さんの仕事場にお邪魔したところ、「東京都でもこういう取り組みをしているんだよ」と紹介された中のひとつが東京都チャレンジショップ「創の実」(以下「創の実」という)です。サポートも手厚く、いきなり実店舗を持つより開業のコストも抑えられると知り応募したところ、採択されました。採択理由は非公開のようですが、個人的には、雑貨事業に長く携わっていたこと、販売員のみならず、バイヤー業務やイベントの企画立案など、店舗運営に幅広く関わっていたことが評価されたのではないかと思っています。

こうして立ち上げたのが『日用品と手仕事の店 はぎわら』です。私自身が実際に使ってみて「これはいいな」と感じた日用品や、「こんなものがあると、毎日が楽しくなるな」と思うようなものをセレクトして、店頭に陳列しています。ちなみに店名の『はぎわら』は、母の旧姓から取りました。母は三姉妹なのですが、祖父には萩原性を残してほしいという願いがあったそうで、母にも相談して店名とすることに。店名のロゴデザインも、母の手書き文字から起こしています。
何気ない毎日をワクワクさせるような品を届けたい
今回開業するにあたり、どんな店にしようかといろいろ考えました。そして「自分がどういう状態の時に、幸せだと感じるだろうか」と思いを巡らせた時、頭の中に浮かんだのが「落ち着き」、「丁寧」、「少しの上質」、「好奇心」という四つのキーワードでした。例えば食器スポンジや布巾など、日常の中で毎日手にするものがあります。消耗品だから安いもので十分という考え方もありますが、少し価格が上がったとしても、使っていて自分が心地いいと感じるものを選びたい。そんなお気に入りのものに囲まれていると、何気ない日々であってもワクワクできると思うのです。

店内に陳列しているのは、そんなキーワードに合致した「私の目線」で選んだものばかり。自宅で使っているものも多いので、店内のディスプレイも「お部屋感」を意識して商品を陳列してみました。玄関のような場所には季節を感じさせる商品を置いたり、書斎をイメージした場所には好奇心を刺激するような科学的なものを並べたり…。もちろんダイニングを意識した場所には食器などを揃えています。
店舗運営に関してはある程度の知識があるのですが、初めての独立開業ということもあり、どうやってお客様に来ていただくかという集客が現在の課題となっています。ネット販売などで以前からのお客様が付いていたわけでもありませんし、店舗のある自由が丘が地元というわけでもないので、そこは頭を悩ませていますね。公社の方からSNSの活用法について教えていただき、投稿のタイミングや投稿内容を考えて・・と試行錯誤を重ねています。また今後は積極的にイベントやワークショップも行っていく予定です。お陰様で会社員時代に交流のあったアクセサリー作家さんに協力していただき、オープン初日から作家さん在店で展示販売を実施することができました。今後もさまざまなイベントを行っていこうと考えています。
「創の実」には、夢を後押ししてくれる環境がある
「創の実」で半年、継続審査を経て最長1年間経験を積んだ後、どこかで出店したいというのが、現在の目標。私にとって馴染みがあるのは東京の中でも東側のエリアなので、清澄白河や蔵前、北千住などにお店を出せたらと考えています。ただ人通りの多い繁華街というわけにはいかないと思うので、「創の実」を卒業するまでに地域コミュニティの活かし方などを学んでいきたいですね。特に自由が丘は、そうしたコミュニティが強い街だと感じています。同時期に出店した『Shizuku Pearl』店主の安原さんは自由が丘在住歴が長い方です。オープン前から地元の皆さんやペットつながりの仲間の方などが頻繁にお店に来られていて、地域コミュニティの強さを実感しました。自由が丘という街自体も年間を通じて様々なイベントがあるようなので、そうした機会を活かしてコミュニティを深めるノウハウを身に付けていければと思っています。

また、私のような「いつかお店を出したい」と思っている人にとって、「創の実」の存在は非常に心強いですね。私自身は会社員時代に、書店の中の雑貨店を任された経験はありましたが、出店準備の段階で商品を揃えてみたところ、お客様とのマッチングであったり、商品価格帯など、多少不安に感じていた部分について相談することができました。出店という夢があれば、それを後押ししてくれる環境がある。一歩踏み出す勇気があれば、あなたにもきっと始められます。
PROFILE
都内の大型書店でアルバイトとして働き始め、約10年の間に契約社員から正社員に。主に書店内の雑貨部門に所属し、雑貨の仕入や作家による企画展の企画・開催といった業務から、アルバイトの管理などまで幅広く任されるようになる。やりがいを感じながら働いていたが、新型コロナウイルスの影響もあり、雑貨部門が縮小されることが決定。そのタイミングで退職を決意する。今後の働き方を考えていたところ、懇意の陶芸作家から教えてもらったのが「創の実」の存在だった。未経験でも手厚いサポートで店が持てると知り、出店を決意。2025年1月に『日用品と手仕事の店 はぎわら』をオープン。