天然染料を知るための染め屋

そめなや

創の実 自由が丘

JIYUGAOKA

OWNER

山口 智佐

YAMAGUTI TISA 

毎日の生活に草木染めを。日常使いしてこその感触。

草木染めの製品は扱いが難しい、そんなイメージをお持ちでしょうか?
使ってみるとそんなことはなく、色の変化も楽しめ、優しい肌触りに愛着がわいてきます。
この感触を実感していただきたく『そめなや』では、気軽に日常使いできるストールや小物類を中心に揃えています。
天然染料に興味がある方、ご自分で染めてみたい方、染め直したい物がある方のご相談も承ります。
天然染料の世界に触れる第一歩として、ぜひ気軽にお立ち寄りください。

PICK UP

天然素材のストール

染料ごとの色合いの美しさを感じていただきたく、天然素材のストールを彩り豊かな「Color Bar」として展開。手にとりやすい均一価格でご提供。槐(えんじゅ)や茜、藍、五倍子など、季節ごとの染料でその時期の色をご用意。染める時期で色合いが変化する草木染めの、一期一会の出会いは貴重です。
型染めの技法を使った藍染めストール『浮き雲』は、薄物への型染めにチャレンジ。刻々と変化する山並みの色彩を表現しました。

OWNER INTERVIEW

山口 智佐

YAMAGUTI TISA

植物や野菜から抽出した色の意外さと伝統工芸の技に触れてほしい

草木染めの多彩な魅力を幅広い形でお届けします

 植物から色素を取り出し生地を染める草木染めは、日本の伝統的な染色技術。『そめなや』は、そうした天然染料で染めたものだけを扱っているお店です。日常使いできるアイテムから型染めの帯など工芸技術を使った染色品まで、幅広い商品を用意しています。草木染めは季節により染料が変わるので、お店に来るたびに季節を感じる店舗空間を目指しています。
 また、意外なものから意外な色が出てくるのも草木染めの魅力です。たとえばアボカドの皮や種は、実はサーモンピンクに染まるんですよ。捨てる前に染料として再利用できるアボカドやコーヒー・紅茶を使って、キッチンで染められる草木染めキットも企画中です。

 実際に自分でやってみたいという方には、コットンバッグやポーチの型染め体験ができるワークショップも開催。草木染めの技術や楽しさを知っていただくきっかけになればと思います。さらにご自宅で染めたい方には、染色キットや染色材料も販売しています。
 “染める”ということを日々の生活に取り入れてほしいので、商品の販売だけでなく、染め物全般に関わるサービスを扱っています。たとえば、染め直しであったり、お店のオリジナルグッズ製作、企業からの染色依頼など。古くから伝わる日本の染色技術を、さまざまな形を通して広めていきたいですね。

「創の実」はマーケティングのヒントがいっぱい

 「創の実」に出店する前は、作品をセレクトショップで販売してもらったり、工房でワークショップを開催したりしていました。しかし、ワークショップを継続的に開催していきたいと考えたとき、お客様が足を運びやすい環境として、店舗という店構えを持つことが大事なんじゃないかと思いはじめていました。そんなとき、SNSの情報で「創の実」の出店者募集を知り、セレクトショップの経営者から「やってみたら」と背中を押され、チャレンジすることに。

 「創の実」は運営やプロモーションのサポートがとても充実しています。私は小売り経験がなかったので、コンサルタントの方から売場のリアルな感覚に沿ったアドバイスをいただけたのがとても貴重でした。ここでのチャレンジは、将来自分のお店を持つ準備期間だと思っています。何がいいのか、何がダメか、何をどうしたらもっと要望に応えられるのか、それらを1つひとつ試しつつ答えを見つけていきたいですね。

 

 草木染めに接点がなかった方も、お店の入り口に掛けてある暖簾を見て「色がきれいね」と言って立ち寄ってくださいます。意外だったのは、草木染めをインテリアに取り入れたいというお客様が何人もいらっしゃったこと。入り口の暖簾や店内の装飾を見て、「なるほどこういう使い方もあるのか」と思いつかれるようです。染めた大きな布そのものを購入希望される方や、「子どもが描いた絵で染めてもらえないか」といったご要望も。実際にお客様の声を聞くことで、「そういう需要もあるのか」と新たなニーズに気づくことができました。

草木染め好きが気軽に集まる店づくりが夢

 当店は草木染めに興味がある方のための「サポーター店舗」と、勝手に名乗っています。学校で染色を学ぶ学生さんや、自宅で草木染めをやってみたいという方も多いと思うんです。そういう方たちが何か困ったことがあったり、ほしい材料があったりしたときに、気軽に立ち寄ってもらえる店になれたらいいなと思っています。

 チャレンジショップ卒業後には店内に作業場があり、営業しながら作業やワークショッができる場所を探したいと思います。草木染めの材料には食用になるものも多いので、できればカフェスペースを併設し、染料を活かした飲み物を提供したり、草木染め好きが集まって、時間を気にせずおしゃべりする…、そんなお店にしたいと考えています。
 また、地域商店街との協働も積極的に行っていきたいと思っています。例えば、コーヒー豆でコーヒーショップのエプロンを染めたり、地域のイベントがあるときには子どもたちも楽しめるワークショップを企画したり。商店街の街路樹の剪定された枝葉を分けていただき、染めるということもおもしろそうです。

 工業製品の合成染料と違い、草木染めは植物や野菜など身近なところに材料があります。染めたいと思えば、育てることだってできる。また、野菜の皮のように捨てるものに価値を見出すこともできます。たとえば私がいま実験しているのは、カカオの薄皮です。これを染色に利用できないかといろいろ試しています。ほかにもまだ気づいていないところに未知の価値が残されているかもしれません。そうした草木染めの面白さ、奥深さを、みなさんにもどんどん伝えていけたらと思っています。

PROFILE

広告制作会社でアートディレクターとして活躍したのち、大学で染織について学ぶ。その後「社団法人草木生活文化協会」草木染め認定講師に。
草木染めの工房を運営する傍ら、セレクトショップ等での販売や、イベント等でワークショップを開催。